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取引慣行に関する独占禁止法上の指針

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(毎週火曜日・金曜日)

新型コロナウイルス感染拡大によって、世界規模で経済活動に影響が出ています。海外進出をしている多くの企業においては、海外の取引先の与信管理および海外の子会社の業績に改めて注目しておられるのではないでしょうか。 本月例会では、海外のなかでも日本と関係の深い米国における取引先が法的倒産手続に入った場合の実務対応のポイントを解説するとともに、平常時の与信管理、信用不安時の債権保全・回収策も概観します。 また、米国の子会社や関連会社が業績不振により米国から撤退する際の留意点も、法的手続を利用するか否かの手続選択の場面をメインに解説します。 以上の解説のなかでは、米国連邦倒産法のいわゆるチャプター7手続やチャプター11手続について、最新事例もふまえ、手続を具体的にイメージできるようにわかりやすく基礎から紹介します。
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  • 2022.01/12
  • 金商法
  • 2022.06/09
  • 2019.02/06

▶法務スタッフとして,契約の作成,審査等の業務に関する一般的知識を身につけておくことの重要性はいうまでもないところですが,個別・具体的な場面において取引類型に応じた契約条項となっているか,過不足なく適切な契約書面になっているかどうかをチェックし,会社にとってのリスクを的確に把握して,想定されるさまざまなリスクに対応した内容の契約書に仕上げることができるかどうかは,その後のリスクマネジメント上も大きなポイントになります。 ▶弊社ビジネス・ロー・スクールでは,日常取り扱うことの多い売買契約や業務委託契約等の契約条項において,法律上,実務上の基礎知識を整理し,実務において有用かつ実践的な契約文言案等を習得していただいた上で,とくに最近問題が多く見受けられる知的財産,M&Aをめぐる契約上の留意点もそれぞれ取り上げ,具体的・実践的なスキルを身につけていただけるよう,掲記のとおり,全3講・計9時間の研修講座を開設することといたしました。 ▶また,今般改正された民法の内容についても,現段階で把握しておくべき留意事項や施行後の想定される実務対応イメージについて,各講座で必要に応じて適宜取り上げます。 ▶各講の講義終了後には30分程度の時間を設け,個別の質疑応答にも応じる予定です。また,第Ⅲ講の講義終了後に1時間半程度,各講の講師を交えて,自由参加による懇親会(名刺交換会)を開催します(第Ⅱ講で出欠確認します)。受講者相互の情報交換のほか,講師との交流を通じて,今後の実務の手がかりを得る機会として本講座をご活用していただければ幸いです。
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  • 2022.06/09


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独占禁止法について〔その13〕

(a) 序説
広義の拘束条件付取引に係る具体的な行為類型の一つとして、平成21年一般指定は、(狭義の)拘束条件付取引(12項)を規定しています。狭義の拘束条件付取引は、広義の拘束付取引のうち独占禁止法2条9項4号及び同指定11項が規定する行為類型以外のものを包括的に対象としています。
同指定12項には、「不当に」という評価的要件が用いられています。これは、原則として違法となるのではなく、個別に公正競争阻害性が備わってはじめて違法となることを示すものです。
同指定12項は、包括的に拘束条件付取引を対象としており、一般的抽象的にその公正競争阻害性の内容を論ずるのは困難ですから、次の(イ)で具体例を挙げながら、その各々について公正競争阻害性を検討することとしましょう。

(b) 流通・取引慣行ガイドラインの立場の検討
公取委の流通・取引慣行ガイドラインは、事業者がマーケティングの手段として流通業者に対してその取扱商品、販売地域、取引先等を制限することを非価格制限行為と称した上、その違法性についての判断の考え方として「事業者の非価格制限行為は、(中略)その行為類型及び個別具体的なケースごとに市場の競争に与える影響をみて、違法となるか否かが判断される。(中略) 事業者が非価格制限行為を行っているかどうかについては、(中略)再販売価格についての拘束と同様、事業者が取引先事業者に対し契約等で制限している場合だけでなく、事業者の要請に従わない取引先事業者に対し経済上の不利益を課すなど何らかの人為的手段を用いることによって制限の実効性が確保されている場合にも、制限行為が行われていると判断される。」と述べています[1]。

そして、流通・取引慣行ガイドラインは、非価格制限行為の他に、取引先事業者の販売価格の制限をする行為(再販売価格の拘束)をも加えて「垂直的制限行為」と名付け[2]た上、これらの行為の公正競争阻害性について、次のように述べています[3]。
「再販売価格維持行為は、流通業者間の価格競争を減少・消滅させることになるため、 通常、競争阻害効果が大きく、原則として公正な競争を阻害するおそれのある行為である。 一方、非価格制限行為は、一般的に、その行為類型及び個別具体的なケースごとに 市場の競争に与える影響が異なる。すなわち、非価格制限行為の中には、①行為類型のみから違法と判断されるのではなく、個々のケースに応じて、当該行為を行う事業者の市場における地位等から、「市場閉鎖効果が生じる場合」や、「価格維持効果が生じる場合」といった公正な競争を阻害するおそれがある場合に当たるか否かが判断されるもの及び②通常、価格競争を阻害するおそれがあり、当該行為を行う事業者の市場における地位を問わず、原則として公正な競争を阻害するおそれがあると判断されるものがある。」

(c) ブランド内競争とブランド間競争
前述のように、再販売価格の拘束については、価格面のブランド内競争が消滅しても、それによりブランド間競争が増進するという状況が仮に存在するとすれば、市場全体としての価格競争は損なわれておらず公正競争阻害性の要件を充足しないこととなるのではないかという議論があります。
拘束条件付取引についても同様の問題が議論されています。そして、この問題についても学説上見解が分かれているようです。

思うに、上記の両説は水掛け論となっている観があり、その優劣を決するには、実証的な分析が必要であると思われます。ただ、一般論として言えば、価格という最も重要な競争手段について販売業者間の競争を消滅させる再販売価格の拘束とは異なり、(狭義の)拘束条件付取引には種々の態様が含まれているところ、比較的重要性の低い競争手段を拘束の対象とするものについては、ブランド間競争の活発さと両立することを否定することはできないため、再販売価格の拘束の場合と同列に論ずることはできないものと思われます。
流通・取引慣行ガイドラインは、公正競争阻害性の有無の判断において考慮すべき競争促進効果の一つとして、次のようにフリーライダー問題への対処があり得るものと述べています[4]。
「フリーライダー問題が現実に起こるために、購入に必要な情報が消費者に十分提供されなくなる結果、商品の供給が十分になされなくなるような高度の蓋然性があるときに、当該事業者が、一定の地域を一流通業者のみに割り当てることなどが、フリーライダー問題を解消するために有効となり得る。ただし、このような制限に競争促進効果があると認められるのは、当該流通業者が実施する販売促進活動が当該商品に関する情報を十分に有していない多数の新規顧客の利益につながり、当該制限がない場合に比べ購入量が増大することが期待できるなどの場合に限られる。また、そうした販売促進活動が、当該商品に特有のものであり、かつ、販売促進活動に要する費用が回収不能なもの(いわゆる埋没費用)であることが必要である。」

(イ) 具体例
拘束条件付取引の具体例としては、次のようなものがあります。

(a) 営業地域の制限
相手方が事業活動を行う地域を制限するものです。商品の販売地域の制限が問題となることが多いです。
流通・取引慣行ガイドラインによれば、事業者が流通業者の販売地域を制限する場合の例として、次のようなものがあるとされています[5]。

(ⅳ) 地域外顧客への受動的販売の制限――事業者が流通業者に対して、一定の地域を割り当て、地域外の顧客からの求めに応じた販売を制限すること。 取引慣行に関する独占禁止法上の指針
そして、同ガイドラインは、これら4種類の販売地域の制限の違法性について、次のように述べています[6]。
(α) 上記の(ⅰ)及び(ⅱ)については、事業者が商品の効率的な販売拠点の構築やアフターサービス体制の確保等のため、流通業
者に対して(ⅰ)や(ⅱ)を採ることは、(ⅲ)又は(ⅳ)に該当しない限り、違法とはならない。
(β) 上記の(ⅲ)については、市場における有力な事業者[7]が流通業者に対し(ⅲ)を行い、これによって価格維持効果が生じる場
合には、不公正な取引方法(拘束条件付取引)に該当し、違法となる。
(γ) 上記の(ⅳ)については、事業者が流通業者に対し(ⅳ)を行い、これによって価格維持効果が生じる場合には、不公正な取引
方法(拘束条件付取引)に該当し、違法となる。

(b) 取引先の制限
相手方に対し、その取引先を制限するものです。メーカーが流通業者の取引先を制限することが問題となることが多いです。
流通・取引慣行ガイドラインには、次のような例が挙げられています[8]。

(ⅲ) 安売り業者への販売禁止――事業者が卸売業者に対して、安売りを行う小売業者への販売を禁止すること。
同ガイドラインは、これらの取引先の制限の違法性について、次のように述べています[9]。
(α) 上記の(ⅰ)取引慣行に関する独占禁止法上の指針 については、事業者が流通業者に対し(ⅰ)を行い、これによって価格維持効果が生じるには、不公正な取引方法
(拘束条件付取引)に該当し、違法となる。
(β) 上記の(ⅱ)については、取引の基本となる取引先の選定に制限を課すものであるから、その制限の形態に照らして販売段階
での競争制限に結び付く可能性があり、これによって価格維持効果が生じる場合には、不公正な取引方法(拘束条件付取引)
に該当し、違法となる。
(γ) 上記の(ⅲ)については、事業者が卸売業者に対して、安売りを行うことを理由に小売業者へ販売しないようにさせること
は、事業者が市場の状況に応じて自己の販売価格を自主的に決定するという事業者の事業活動において最も基本的な事項に
関与する行為であるため、通常、価格競争を阻害するおそれがあり、原則として不公正な取引方法(その他の取引拒絶(平成
21年一般指定2項)又は拘束条件付取引)に該当し、違法となる。
私は、同ガイドラインの上記(a)(b)の立場についても、価格競争が阻害されるかどうかを重視している点について疑問を持ちます。

(c) 選択的流通
事業者が自社の商品を取り扱う流通業者に関して一定の基準を設定し、当該基準を満たす流通業者に限定して商品を取り扱わせようとする場合、当該流通業者に対し、自社の商品の取扱いを認めた流通業者以外の流通業者への転売を禁止することがあります。これを 「選択的流通」と呼びます。
これについては、商品を取り扱う流通業者に関して設定される基準が、当該商品の品質の保持、適切な使用の確保等、消費者の利益の観点からそれなりの合理的な理由に基づくものと認められ、かつ、当該商品の取扱いを希望する他の流通業者に対しても同等の基準が適用される場合には、たとえ事業者が選択的流通を採用した結果として、特定の安売り業者等が基準を満たさず、当該商品を取り扱うことができなかったとしても、通常、問題とはならないものとされています[10]。

(d) 販売方法の制限
相手方に対し、自己の供給する商品の販売方法を制限するものです。
事業者による小売業者の販売方法に関する制限としては、次のようなものが挙げられています[11]。

(ⅳ) 自社商品専用の販売コーナーや棚場を設けることを指示すること。
これらの販売方法の制限について、流通・取引慣行ガイドラインは、次のように述べています[12]。
(α) 事業者が小売業者に対して、販売方法(販売価格、販売地域及び販売先に関するものを除く)を制限することは、商品の安
全性の確保、品質の保持、商標の信用の維持等、当該商品の適切な販売のためのそれなりの合理的な理由が認められ、か
つ、他の小売業者に対しても同等の条件が課せられている場合には、それ自体は独占禁止法上問題となるものではない。
(β) しかし、事業者が小売業者の販売方法に関する制限を手段として、小売業者の販売価格、競争品の取扱い、販売地域、取引
先等についての制限を行っている場合[13]には、同ガイドラインにおいて既に述べた考え方に従って違法性の有無が判断され
る。

[1] 流通・取引慣行ガイドライン第1部第2‐1。
[2] 流通・取引慣行ガイドライン第1部‐2。
[3] 流通・取引慣行ガイドライン第1部-3- (2)。
[4] 流通・取引慣行ガイドライン第1部‐3‐(3)‐ア)。
[5] 流通・取引慣行ガイドライン第1部第2‐3‐(1)。
[6] 流通・取引慣行ガイドライン第1部第2‐3‐(2)~(4)。
[7] 流通・取引慣行ガイドライン第1部‐3‐(4)。
[8] 流通・取引慣行ガイドライン第1部第2‐4‐(取引慣行に関する独占禁止法上の指針 1)。
[9] 流通・取引慣行ガイドライン第1部第2‐4‐(2)~(4)。
[10] 取引慣行に関する独占禁止法上の指針 流通・取引慣行ガイドライン第1部第2‐5。
[11] 流通・取引慣行ガイドライン第1部第2‐6‐(1)。
[12] 流通・取引慣行ガイドライン第1部第2‐6‐(2)。
[13] このような場合の例として、流通・取引慣行ガイドラインは「当該制限事項を遵守しない小売業者のうち、安売りを行う小売業者に対してのみ、当該制限事項を遵守しないことを理由に出荷停止等を行う場合には、通常、販売方法の制限を手段として販売価格について制限を行っていると判断される」と述べています(同ガイドライン第1部第2‐6‐(2)‐(注9))。

弁護士植村幸也公式ブログ: みんなの独禁法。

独禁法だって法律です。誰にでも納得できる独禁法を目指します。 ※このブログは私の個人的な見解を述べるものであり、私の所属する 日比谷総合法律事務所の見解とは関係ありません。 This is Uemura, Koya's official blog, "Your Antitrust Law."

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2021年8月22日 (日)

流取ガイドラインのセーフハーバーの適用範囲

後記第2の2( 自己の競争者との取引等の制限 )の各行為類型,同3(3)( 厳格な地域制限 )及び同7( 抱き合わせ販売 )がこれに当たる。」

「「地域外顧客への販売制限」については、本指針において「メーカーが流通業者に対して、一定の地域を割り当て、地域外の顧客からの求めに応じた販売を制限すること」としており、これはすなわち、メーカーが指定した地域以外の顧客との取引を一切禁止するものである。したがって、メーカーが指定した地域においては、顧客は地域外の流通業者から購入することができなくなるため、流通業者が顧客に対して、いわば独占的な地位を得て、 価格を高く維持 することにつながりやすいと考えられる。そのため、今回の改正においても、いわゆるセーフ・ハーパーの適用対象としないこととされたものである。」

市場における有力な事業者 (注5)が,競争者を市場から排除するなどの独占禁止法上不当な目的を達成するための手段として,例えば次の②~③のような行為を行い,これによって取引を拒絶される事業者の通常の事業活動が困難となるおそれがある場合には,当該行為は不公正な取引方法に該当し,違法となる(一般指定2項)。

市場における有力なメーカー が,流通業者に対し,自己の競争者と取引しないようにさせることによって,競争者の取引の機会が減少し,他に代わり得る取引先を容易に見いだすことができなくなるようにするとともに,その実効性を確保するため,これに従わない流通業者との取引を拒絶すること(一般指定11項(排他条件付取引)にも該当する。)

市場における有力な原材料メーカー が,自己の供給する原材料の一部の品種を完成品メーカーが自ら製造することを阻止するため,当該完成品メーカーに対し従来供給していた主要な原材料の供給を停止すること

市場における有力な原材料メーカー が,自己の供給する原材料を用いて完成品を製造する自己と密接な関係にある事業者の競争者を当該完成品の市場から排除するために,当該競争者に対し従来供給していた原材料の供給を停止すること」

「供給業者が契約終了後において総代理店の競争品の取扱いを制限することは,総代理店の事業活動を拘束して,市場への参入を妨げることとなるものであり, 原則として独占禁止法上問題となる 。」

取引慣行に関する独占禁止法上の指針

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原材料等の高騰が進み,経済状況が不安定化しているなか,下請法は,その執行を強化すべく 体制が構築されている。下請法違反は,意図せぬところで発生してしまうことから,下請法規制 の現状を正確に把握し,日頃からその遵守に向けての対策を怠らないことが求められる。

下請取引を行ううえでは下請法の理解は欠かせない。法務担当者のみならず,事業部門や経理 部門なども,下請法を知っておく必要がある。本稿では,下請法をはじめて学ぶ者が下請法の全 体像を掴むための一助となるよう,そのエッセンスを解説する。

下請法に関する調査,とりわけ立入検査については,どのようなことが行われるのかわから ず,不安に感じておられる法務担当者も少なくないと思われる。公取委・中企庁による事件処理 の流れを知り,検査に向けて適切な備えを行うようにしたい。

下請法対応のポイントは多岐にわたるが,公正取引委員会および中小企業庁によって毎年行わ れる書面調査の対応にあたり細心の注意を払う必要がある。本稿では,親事業者に対する書面調 査の概要および対応のポイントならびに業種別の留意点について解説する。

世界的に長引くコロナ禍において,ウクライナ問題の影響も重なり,世界経済の見通しも不透 明であり,苦しい状況に陥る企業も増えることが懸念されている。 そこで,下請先との取引についても,自社に都合のよい取引条件にしたくなる一方,原材料等 のコスト増や存続の危機に直面する下請先からの値上げ要求の増加に応じる余裕もなく,下請法 違反になるリスクも懸念される。 下請法違反リスクを減らすための下請法遵守マニュアル作成の必要やポイントについて,当誌 2019年7月号に記事を掲載したところであるが,特に昨今の社会情勢や,近年の公正取引委員会 の実務を考慮し,どのようなマニュアルの作成・改訂をすべきか,着目すべきポイントを記載す る。以下を参考に,一度弁護士等を含めて,コロナ対応やウクライナ問題に関連する下請取引へ の影響について全般的な整理をされるのもよいであろう。

建設業における下請コンプライアンスに関し,2020年4月施行の改正建設業法によって新設な いし改正された事項(見積条件の提示等,工事を施工しない日等の定め,著しく短い工期の禁 止,現金払い,不利益取扱いの禁止等)を解説する。

2021年12月23日,米国においてウイグル強制労働防止法が成立した。米国は,中 国の新疆ウイグル自治区のウイグル族等の少数民族に対する人権問題を理由として,近時, 中国に関するさまざまな取引を規制している。ウイグル強制労働防止法は,米国関税法 307条に基づく既存の輸入規制を強化するものであるため,本稿では,まず米国関税法 307条に簡潔に触れたうえで,ウイグル強制労働防止法を概説し,最後に日本企業の留意 点を解説する。

本連載では,先日まで行政官として経済安全保障分野の第一線で政策立案・審査に従事し ていた弁護士が経済安全保障分野の法令について体系的に解説する。連載の第4回目では, 経済安全保障を読み解く主要11分野のうち経済制裁について解説する。

米上院による「米国イノベーション・競争力法」 案の可決を紹介したが(第2回),2022年2月4日, 米下院が,「米国競争力」法(America 取引慣行に関する独占禁止法上の指針 COMPETES Act of 2022)」案1を可決した。今後の両院再可決に より立法される可能性が高い。しかし,両法案の 差異を調整する必要があるため,今少し時間が掛 かる見込みである。

中国の全国人民代表大会常務委員会は,2021年10月に「中華人民共和国独占禁止法 (改正草案)」(以下「改正草案」という)について審議を行った。改正後の独占禁止法は, 2022年に正式に採択される見込みである。改正草案は,競争政策の基礎的位置づけの強 化を明確にし,セーフハーバー制度を打ち出し,法律に違反した主体の法的責任を重くし, 企業結合手続を改善するとともに,公益訴訟の仕組みの確立を図っている。日本企業は, より大きなコンプライアンスの試練に直面することとなる。

本連載では,先日まで行政官として経済安全保障分野の第一線で政策立案・審査に従事し ていた弁護士が経済安全保障分野の法令について体系的に解説する。連載の第3回目では, 経済安全保障を読み解く主要11分野のうち投資管理について解説する。

FCCは,①中国製通信機器・中国系通信業 者に対し強い安全保障上の懸念を示しており, ②China Telecom America(CTA)の事業免許 を取り消し,③China Unicom Americas(CUA) に対する免許取消手続が開始されていた(本 連載第2・3・6回)。 直近の2021年12月2日,連邦地方裁判所 (DC地区)は,CTAが提起した行政訴訟に おけるCTAの緊急停止申立を却下した。ま た,2022年1 月27日,FCCは,CUAの事業 免許を取り消した。

近年,消費者法関係での法改正が相次いでいる。特定商取引に関する法律(以下「特商 法」という)については,平成28年6月の改正に続き,昨年6月16日にも改正法(以下 「令和3年改正法」という)が公布され,今後全面的に施行される予定1である。また,消 費者契約法についても,平成28年および平成30年に改正が行われたが,その後も検討が 続けられ2,昨年9月10日,消費者庁は,さらなる法改正に向けて「消費者契約に関する 検討会」の報告書(以下「検討会報告書」という)を公表した。 本稿では,このように消費者法関係の法改正が相次いでいる背景に触れたうえで,特商 法については令和3年改正法のポイントを,消費者契約法については検討会報告書の概要 と改正された場合の実務における注目点をそれぞれ解説することとしたい。

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よくある質問

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並行輸入を止めさせたい。行き過ぎた並行輸入阻害はどのようなものか。 その2

公正取引員会が問題になると考えている方法は、次の7つです。
(1) 海外の流通ルートからの真正商品の入手の妨害
(2)販売業者に対する並行輸入品の取扱い制限
(3) 並行輸入品を取り扱う小売業者に対する契約対象商品の販売制限
(4)並行輸入品を偽物扱いすることによる販売妨害 取引慣行に関する独占禁止法上の指針
(5)並行輸入品の買占め
(6)並行輸入品の修理等の拒否
(7)並行輸入品の広告宣伝活動の妨害
そして、公正取引委員会が問題にするのは、上記(1)~(7)が価格を維持するためになされた場合です。別の目的でなされれば、問題ありません。
もっとも、上記(1)~(7)を行い、「価格を維持するために行ったのではありません。」といえば、直ちに許されるというものではありません。この主観的意図は、当該行為が行われた状況を総合的に考慮して判断されるので、注意が必要です。

価格を維持するために行わないければ良い、ということから、公正取引委員会は、次の場合は、問題ないと述べています。
[1] 商品仕様や品質が異なる商標品であるにもかかわらず,虚偽の出所表示をすること等により,一般消費者に総代理店が取り扱う商品と同一であると誤認されるおそれのある場合
[2] 海外で適法に販売された商標品を並行輸入する場合に,その品質が劣化して消費者の健康・安全性を害すること等により,総代理店の取り扱う商品の信用が損なわれることとなる場合

それでは、上記(1)~(7)について、少し見ていきます。
(1) 海外の流通ルートからの真正商品の入手の妨害
具体例として、公正取引委員会は以下の挙げています。
[1] 並行輸入業者が供給業者の海外における取引先に購入申込みをした場合に,当該取引先に対し,並行輸入業者への販売を中止するようにさせること
[2] 並行輸入品の製品番号等によりその入手経路を探知し,これを供給業者又はその海外における取引先に通知する等の方法により,当該取引先に対し,並行輸入業者への販売を中止するようにさせること

総代理店制を維持するため、上記[1][2」は、必要な行為ですが、価格を維持するために行われる場合は違法になります。
さらに進んで、総代理店と海外の権利者間の契約書には、「海外の権利者は、総代理店以外に、日本に販売する事業者には販売しない」 との条項が置かれるものであるが、海外の権利者自ら販売を禁止したり、その直接の取引先の積極的販売を制限するにとどまる限り問題ないが、総代理店が、海外の権利者に対し、販売しないようにさせることは違法となる考えられています。

(3) 並行輸入品を取り扱う小売業者に対する契約対象商品の販売制限
これは、総代理店の取り扱う商品を扱う卸売業者に対し、当該卸業者から仕入れをしている並行輸入品を販売する小売業者に、手段を問わず、並行輸入品を販売させないようにすることです。

(4)並行輸入品を偽物扱いすることによる販売妨害
これは、客観的に偽物と認められる事情がないにもかかわらず、 並行輸入品が安売りされていることから、偽物扱いし、その販売中止を求めることは行き過ぎ、という考え方です。
偽物扱いは、直接的・間接的な方法があり得ます。たとえば、総代理店が検査済みというシールを貼る方法も例として挙げられています。

(6)並行輸入品の修理等の拒否
これは、並行輸入品が修理できないことにすることで、並行輸入品の購入を妨げる行為です。
この方法は、禁止されていますが、並行輸入品の修理等の責任が総代理店側にあるという趣旨ではありません。修理できない正当な理由があったり、または、価格を維持するためでなければ、許されます。
修理料金を差別することの可否などの問題もあり、この点は、ケールバイケースで、複雑なので、許容され得るか、個別具体的に検討しなければならない方法です。

(7)並行輸入品の広告宣伝活動の妨害
これは、並行輸入品の広告宣伝活動が商標権侵害になったり、不正競争防止法に違反する事情がないにもかかわらず、広告宣伝活動を妨害することです。
妨害の方法として、広告業者に並行輸入品の広告掲載の中止を要求する方法などがありえます。

以上が並行輸入を止めさせる販売の側面からの検討になります。
もっとも、現実の取引の世界では、上記であげたような事情があったとしても、そもそも、公正取引員会が着手してくれるのか、着手したとしても、公正取引員会がどこまで証拠を収集して、立証できるか、という問題があります。
下請法違反の事案で、書面である程度の資料を整えて、申立てを行ったのですが、全く、動いてくれなかった経験があります。

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弁護士 藍原 義章
弁護士 鳥生 尚美
(第二東京弁護士会所属)

〒190-0012 取引慣行に関する独占禁止法上の指針
東京都立川市曙町1-25-12
オリンピックビル曙町7F
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FAX:042-512-9738
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