PTAUAG
[東京 16日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は
小幅続伸した。前日堅調だった欧米市場の流れを受け、
東京市場も買い先行。輸出株などに買いが入り、おおむね
しっかりとした値動きとなった。ただ、夏季休暇中の投資家
が多く、売り買いは前日に引き続き低水準でエネルギーが
乏しい。また円高止まりが上値圧迫要因とされるほか、
今晩発表の米経済指標などを控え、日経平均が一時下げに
転じるなど戻りペースの鈍さが指摘されている。
東証1部騰落数は値上がり932銘柄に対し
値下がり569銘柄、変わらずが165銘柄。
東証1部の売買代金は1兆0696億円。
15日の米国株式市場は3日続伸。米グーグルが
通信機器大手モトローラ・モビリティ・ホールディングス
を現金約125億ドルで買収すると発表したことが
市場心理を押し上げた。相場は3日続伸したことで、前週の
急激な値下がり前の水準に戻しつつある。一方で、
米ニューヨーク連銀が発表した8月のニューヨーク州製造業
業況指数が3カ月連続でマイナスとなったことから、景況感
の悪化に対する懸念も出ている。
堅調な欧米株価を背景に、序盤の東京市場は買いが先行した。
円高基調を背景に、このところ買いの弱さが目立っていた
輸出株も上昇した。岡三オンライン証券チーフストラテジスト
の伊藤嘉洋氏は「現物株の売買が薄い中、先物の買い戻し主導で
上げている。海外勢の売りも減少傾向にある」と指摘。
戻り売りに上値が抑えられるなかで、前場の日経平均は
おおむね9100円台でしっかりの値動きとなった。
ただ後場には下げに転じる場面があるなど上値の重さが
意識された。夏季休暇中の投資家が多く、売り買いが前日に
引き続き薄くエネルギーに乏しいなかで、「先物売りに上値
を抑えられている。1ドル76円台の円高止まりが心理的な
圧迫要因だ。今晩の住宅着工、鉱工業生産など米経済指標や
独仏首脳会議を控えて動きにくい」(準大手証券トレーダー)
との声が聞かれた。
立花証券・執行役員の平野憲一氏は、先行き不透明感が
残る中で「米国株は底を打ったが、今年は高値でのもみあい
が多かっただけに戻り売りが出やすい状況。日本株も同様で、
日経平均は9300円に近付くと戻り売りが出やすい」
という。足元の日本株は戻り局面にあるものの、ペースの
鈍さが指摘されている。
個別銘柄では、売買代金トップのグリーが新値
追い後に利益確定売りに押され6営業日ぶりに反落した。
一方、ディー・エヌ・エーなどソーシャル・ネット
ワーキング・システム(SNS)関連銘柄や、SNSゲーム
の拡大が報じられたコナミ、スクウェア・エニックス
・ホールディングスなどが軒並み年初来高値を更新。
市場では「米グーグルによる通信機器大手
モトローラ・モビリティ・ホールディングス買収
によってアンドロイド端末のさらなる拡大が見込まれ、
コンテンツ会社が恩恵を受けるとの期待感が高まった」
(岡三証券・日本株情報グループ長の石黒英之氏)との
見方が聞かれた。
アジア株式市場サマリー(16日)
11-08-16 21:42
上海総合指数 前営業日比 売買代金概算
大引け 2608.166 18.604安 899.6億元(上海A株)
高値 2636.360 上海総合指数 (SSEC)
安値 2601.501
前営業日終値 2626.770 33.597高 907.7億元(上海A株)
ハンセン指数
大引け 20212.08 48.02安 742.8億香港ドル
高値 20431.86
安値 20140.31
前営業日終値 20260.10 640.09高 710.0億香港ドル
ST指数(シンガポール)
大引け 2832.73 41.67安 16.33億株
高値 2890.05
安値 2828.74
前営業日終値 2874.40 23.81高 12.94億株
KLSE総合指数(クアラルンプール)
大引け 1498.24 1.50安 12.93億株
高値 上海総合指数 (SSEC) 1510.54
安値 1497.33
前営業日終値 1499.74 16.07高 10.72億株
SET指数(バンコク)
大引け 1077.02 9.30安 279億バーツ
高値 1091.35
安値 1077.02
前営業日終値 上海総合指数 (SSEC) 1086.32 24.25高 357億バーツ
総合株価指数(ソウル)
大引け 1879.87 86.上海総合指数 (SSEC) 56高 4.13億株
高値 1879.87 上海総合指数 (SSEC)
安値 1848.82
前営業日終値 1793.31 24.13安 4.61億株
加権指数(台湾)
大引け 7798.59 20.80安 1046.9億台湾ドル
高値 7896.19
安値 7778.65
前営業日終値 7819.39 182.37高 928.8億台湾ドル
総合株価指数(ジャカルタ)
大引け 3953.277 6.745安 5.87兆ルピア
高値 3996.371
安値 3937.688
前営業日終値 3960.022 69.496高 4.69兆ルピア
総合株価指数(マニラ)
大引け 4372.70 40.07高 N/A
高値 4379.68
安値 4337.20
前営業日終値 4332.63 10.90高 N/A
SENSEX指数(ムンバイ)
大引け 16730.94 108.69安 2.64億株
高値 17035.49
安値 16673.52
前営業日終値 16839.63 219.77安 3.18億株
ベトナム株価指数(ホーチミン)
大引け 386.48 2.16高 N/A
高値 388.58
安値 383.66
前営業日終値 384.上海総合指数 (SSEC) 32 0.40高 N/A
<中国・香港株式市場> 中国株式市場は、5営業日
ぶりに反落。不動産株をはじめ大型株に利食い売りが入り、
下落を主導した。
香港市場は一時上昇していたものの、第2・四半期の
ドイツ国内総生産(GDP)伸び率が予想を下回り、
欧米の株式指数先物が下落したことを受け、下げに転じた。
<東南アジア株式> 主要市場が取引前半での上昇分
を消し、下落した。欧州経済のけん引役ドイツの第2・
四半期の国内総生産(GDP)がほぼ横ばいだったことが
リスク回避傾向をもたらし、大型株や金融株に取引終盤
で売りが出た。
公的債務危機に悩まされている米国と欧州の需要沈滞
によるマイナス影響の可能性が懸念され、投資家の、
東南アジア地域の経済成長に対する楽観度合いが低下。
これを背景に市場ではリスク意欲が急速に減少しているようだった。
地合いの弱まりは、輸出依存度がより高い市場に打撃を与え、
終盤の売りもあって、シンガポール市場の
ストレーツ・タイムズ指数(STI)は1.5%下落。
ジャカルタ、バンコク、クアラルンプール
市場はこれよりも小幅な下落だった。この日は半日
取引だったマニラ市場とホーチミン市場は上伸。
<ソウル株式市場> 大幅反発。
米株高を好感した外国人投資家から買いが入り、
総合株価指数(KOSPI)は2009年4月
以来最大の上昇率を記録した。
<台湾株式市場> 反落。世界的な景気減速をめぐる
根強い懸念に圧迫された。ただ、米インターネット検索
最大手グーグルがモトローラ・モビリティ・
ホールディングスの買収を発表したことを受けて、
モトローラのサプライヤーは値上がりした。
コメント